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レガシーシステムの課題が招く「2025年の崖」―物流業界の重要な変革時期―

ピーエムジー大阪支店のブログをご覧いただきありがとうございます。

さて、今回は『2025年の崖』として警告されている経済産業省の報告書について、
その背景と物流業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性について考察してみましょう。

『2025年の崖』とは

多くの企業が使っている既存のITシステムが老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化によって使いづらくなり、企業の競争力を低下させ、経済損失をもたらす問題を指します。
2025年前後に予想されるITシステムに関連する変化に対応できなければ、年間最大で12兆円の損失を引き起こす可能性があります。

その主な原因が「レガシーシステム」と呼ばれるITシステムの効率の悪化です。

レガシーシステムは技術的な老朽化や肥大化・複雑化、ブラックボックス化が進んだもので、日本企業の8割に存在しています。
それらのシステムは部署ごとに異なるITシステムが個別に構築されており、情報の共有や横断的な利用が困難な状況に陥っています。

このようなレガシーシステムの刷新の困難さが企業の課題となっており、DXの推進が重要となっています。
DXはデジタル技術の活用により、業務の効率化やスマートなシステム構築を図るもので、物流業界においても大きな役割を果たすとされています。

 
物流業界におけるDXの6つの重要性

1. 倉庫の空きスペース最適化
DXによる効率的な倉庫管理が可能となり、労働力の確保が難しい現代においても業務のスムーズな遂行が可能となります。
倉庫を一括管理するシステムをはじめ、ロボットを導入することで現場や事務作業のデジタル化を図ることができます。
また、商品や資材といった在庫管理の最適化も可能です。
ピッキング作業の効率化などを含め、作業現場でもDXの効果は実感できるようになります。

2. 商品管理のデジタル化
RFIDの導入やクラウドシステムの活用により、正確な商品管理が可能となり、在庫の正確な把握が行えます。

3. 業務の自動化
配送依頼や受付業務の自動化、AGVの活用などにより、人の手を介さずに効率的な業務遂行が実現します。
また、紙のやりとりを無くしシステムでシームレスに自動化することもできます。

4. 納品書などの書類管理の効率化
デジタル化により、書類管理の効率が上がり、場所も取らないためわかりやすくなります。

5. 配送の効率化
荷物を届けてほしい人と配送パートナーを繋ぐ配送プラットフォームを運営している企業では、リアルタイムに必要な時に必要な数だけ配送することで、 物流コストの削減が可能となっています。

6. 配送計画の自動化
自動配車クラウドによる最適な配車計画・配送ルートの作成により、効率的な物流を実現することができます。

 

一方、DXの推進にはある程度の資金が必要とされます。
社内体制の構築費や専門家の招聘(しょうへい)に要する経費、設備やソフトウェアの購入費用などが挙げられます。
また、人材育成のための研究費や教育訓練に関する経費も必要です。

物流業界におけるDXの重要性は今後ますます高まっていくと考えられます。
デジタル技術を活用することで、業務の効率化やコスト削減、競争力の向上が期待されます。
しかし、DXの推進にはコストや専門知識の必要性もあるため、企業は慎重に計画を立てる必要があります。
経済産業省の警告した「2025年の崖」を乗り越えるためにも、物流業界は積極的なDXの取り組みを進めることが重要であると言えるでしょう。

2023年08月07日 | スタッフブログ