2021年のM&A件数~リーマン・ショック以来の最多を更新~

2022/02/04

 

 

お世話になっております。
ピーエムジー株式会社 大阪支店 支店長の福田です。

 

2021年のM&A件数(適時開示ベース)は877件と、前年を28件上回りました。

2年ぶりに増加に転じるとともに、
リーマン・ショック(2008年-870件)以来最多件数となっています。

国内案件が高水準に推移し、前年に大きく落ち込んだ海外案件も復調に向かいました。

 

新型コロナウイルスは感染拡大が続いていますが、
金融緩和や政府による経済対策などを受けて企業は一定の落ち着きを取り戻しており、
M&A市場もいち早く活況を取り戻した形です。

 

金額首位は日立製作所が、米IT企業のグローバルロジックを約1兆400億で買収する案件で、
年間を通じて唯一の1兆円超となりました。

 

新型コロナウイルス感染拡大の防止に向けた2度目の緊急事態宣言を受けて、
1月のM&A件数は前年同月を20件下回る54件と、5年ぶりにマイナスとなりました。

しかし2月以降は件数を伸ばし、年間では877件に達しています。

 

2021年の注目点の一つは前年50件近く減った海外M&Aの動向です。
結果は160件と2020年(148件)比8%増えたものの、
コロナ前の2019年(196件)にはほど遠く、回復途上にあります。

国内・海外を問わず、上場企業による子会社・事業の売却が増加しました。
その数は299件で、過去10年で最多となり、全M&A件数の34%を占めています。

 

主力事業への経営資源の集中に伴い、非中核事業や不採算事業を切り離す動きが広がりました。
とりわけ海外案件では売却の比重が一段と高まりました。

 

全160件の海外M&Aのうち、外国企業が買い手の取引は67件で、
2020年50件、2019年44件に比べ大幅増加。

構成比も2019年22%、2020年34%、2021年42%とコロナ前のほぼ倍に増えました。

 

一方、日本企業が買い手の取引は2019年152件の後、2020年98件、2021年93件と
2年連続で100件を下回り、海外投資に慎重な構えを崩していません。

2021年の取引金額は8兆7121億円で、前年を約2兆4500億円下回ったものの、
過去10年では2018年(13.8兆円)、2016年(11.9兆円)、2020年(11.1兆円)に続く
4番目の水準となっています。

 

 

M&A市場が再び活況になりつつある背景には、コロナ禍への不安が後退し、
一旦取り止めたM&Aを再開する機運が強まっていることがありそうです。

自粛生活で進まなかったM&A交渉が一気に進む『リベンジM&A』が出てきていると言えます。

 

市場関係者の間では現時点では「米国のインフレは来年後半に落ち着く」との見方が有力で、
日銀も金融緩和の姿勢を維持する姿勢を示しています。

 

 

ただ、環境保護への意識の高まりなどを受けて資源価格が高止まりしており、
日本では輸入物価が高騰、国内外でのインフレ圧力は強まりつつあります。

米欧の金融政策や物価の動き次第では、日銀も緩和方針の一部修正を迫られる可能性もあります。

 

活況を続けてきたM&市場は、金融緩和による潤沢な資金供給や超低金利に支えられてきただけに、
物価と金融政策の今後の動きについて注視していく必要がありそうです。

 

 

 

今週はM&Aについてお話させていただきました。

毎週金曜日に金融に関するお話をこのブログでしておりますので、
是非ご覧いただければ幸いです。

 

今後ともピーエムジー大阪支店をよろしくお願いいたします。

 

 

ピーエムジー株式会社 大阪支店
支店長  福田